お金の流れのビジュアル化

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お金の流れの全体図をビジュアルで理解する STEP2 その2

お金の流れの全体図をビジュアルで理解する STEP2 その2

前回のブログで売上から変動費を差し引いて『限界利益』を出す為の手順について書きました。

STEP2: 変動費を把握し、限界利益を見る

今回はこの限界利益を活かした経営判断の手法について解説したいと思います。

ここでもう一度『限界利益』の意味をおさらいです。

限界利益(げんかいりえき、英: marginal profit)は、管理会計の概念の一つ。売上高から変動費を引いたもの。限界利益を売上高で割ったものを限界利益率 (英: marginal profit ratio) といい、売上が1単位増えることで増える利益のこと。

Wikipediaを参照

限界利益の「限界」は今の売上げから生み出すことが可能な限界の利益のことを言ってるのではなく、利益を計算する際の順番(売上から変動費、固定費、税金等が引かれいくプロセス)で一番最初にある利益を意味していますのでご注意を

お金の流れの全体図をビジュアルで理解する STEP2 その2_2

これを踏まえたうえで、以下の問いに応えることが出来るでしょうか?

問題

例えば売上が1,500万円、雑収入①が100万円、変動費が700万円だったとすると

①あと所得を100万円増やすために必要な売上げは?

②正社員を1名(年間給与300万円)を追加で雇うために必要な売上は?

早速回答です。

① 約178万円

② 約533万円

必要なのは以下の3ステップだけ

1.(売上+雑収入①)-変動費=限界利益を算出

2.限界利益/(売上+雑収入①)×100%=限界利益率を算出

3.(欲しい所得 又は 支払う経費)÷限界利益率=必要な売上高

*雑収入①とは雑収入の中でも売上に比例して支払われる、 作付け奨励金などの収入です。

実際計算してみると、

1.限界利益=(1,500万円+100万円)-700万円=900万円

2.限界利益率=900万円/(1,500万円+100万円)×100%=56.25%

3.所得を100万円増やすために必要な売上=100万円÷56.25% ≒178万円

正社員を1名を追加で雇うために必要な売上は=300万円÷56.25%≒533万円

という結果になります。

なぜこんな計算が出来るのでしょうか?

それは限界利益率が「農園の売上に対して、手元に残るお金の割合」を意味しているからです。

例えばこんな方程式をイメージしてみて下さい。

求める売上Y×手元に残るお金の割合(限界利益率)=必要な所得

とすると、

求める売上Y=必要な所得/手元に残るお金の割合(限界利益率)

と変換することができます!

必要な所得が変われば、限界利益率に応じて求める売上が導きだされる仕組みになります。

自分の農園の限界利益率を把握しておけば、3秒で判断できます。

ただし、ここでの限界利益率は、農園全体のものであって、複数の品目を扱っている場合はそれぞれの品目で限界利益率が異なります。

限界利益率が高い野菜ほど稼ぐ野菜であるため、野菜によって限界利益率が違うことを理解していることはとても重要です。

ここに手間(時間)と、作れる場所(面積)を考えて経営判断していきます。

限界利益と限界利益率を把握することで、経営判断に必要な売上規模を考えることができます。

ただし農業界は、先物取引が行われるように価格相場が読みずらいうえに、天候や病気、害虫の多発等で出荷量の予想も難しい業界です。

そのため限界利益率もかならず経営判断を約束するものではありません。

価格の変動が少ない契約販売や生産性の安定を図るための野菜工場による農業が増えてきているのも理解できます。

これはこれで別のリスクがありますが(限界利益を追求するだけでは経営は成り立ちません)...

限界利益率を使って経営判断する際は、価格や出荷量を少し辛めにみた上での限界利益率で行うことをお勧めします。

同時に過去や詳細なデータが多ければ多いほど予測の精度はあがるので自分の農業を記録に残していくこともお勧めします。

最後まで読んでいただいてありがとうございました <m(__)m

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